3hours + α

 初めまして、薗子です。料理が好きじゃない私が、来客の多い家に住むようになって6年が経ちました。毎日の家族ご飯だけでもいっぱいいっぱいなのに、お客様に振る舞う料理を作るのは負担の大きいものでした。特につわりの時、臨月の時、産後は大変で、献立を決める、段取りを考える、買い出しに行く、料理を作る、盛り付ける、までの全工程でかかる時間を3時間削減することを目標に、「作る」から「組み立てる」ことを考えるようになってから、ずいぶん楽になりました。そして時間以上に得たものもありました。3hours + α の名前はここからきています。今でも料理は好きじゃないけど、何とかこなしてきた「おもてなし料理」「パーティ料理」で気が付いたことを書く場所にしたいと思っています。

 6年前、いろいろな事情が重なって、義理の両親との同居が始まりました。当時、こどもは5歳と2歳、私は3人目をお腹に授かったばかりでした。とても寛容な両親なので、楽しくやらせてもらっていますが、その寛容さ故か、来客の多いこと。ご飯はもちろん、お泊りも多々ありです。悩みの種が振る舞うご飯。回数も多いのですが、人数も多い。6年の間に私は3人目、4人目と産んだので、基本の家族8人にお客さまが加わると、ごはん一升炊いても足りるかな?と心配しなくてはいけません。

 そしてお客様のほとんどは私の面識のない方で、年齢も大学生から90歳のおばあちゃんまで(ちなみに親族のおばあちゃんではなく、義母が入院中、同部屋で仲良くなったおばあちゃんです)幅広く、国籍も様々。ベジタリアンなトルコ人女性や中国人のご家族、食べられないもののリストがかなり長いアメリカ人ご夫婦は1ケ月、滞在されました。喉元過ぎれば・・・で、思い返してみると笑えますが、今でも「明後日、ベトナムと中国の女の子が来る」なんて聞くとやっぱり固まります。

 お客様のたびに作るご飯には悩みます。こどもの行事が続く合間の来客もあります。料理本はたくさん手にしました。ネット上にもレシピは溢れています。でも、私の欲しい形に、かみ砕かれているものには出会えませんでした。ここで紹介できればと思っています。料理が好きじゃないのに、料理を振る舞わなければならなくなった人の、お役に立てれば嬉しいです。